こんにちは!!!
短距離選手でよく、膝を高く上に上げて走ると速くは走れる!!と思っている人がいると思います。実際、速い選手は膝が良く上がる選手が多いです。多田選手や、ケンブリッジ選手もめちゃくちゃ膝が上がってますよね。
しかし、その膝を高く上げる、という部分だけを見て自分も膝を高く上げよう!!と思って走るのは、少し危険かもしれません。
目次
膝を高く上げる意識をするとなぜ危険なのか
なぜなら、膝を高くあげる意識をしながら走ると、地面に与えた力が返ってくる方向が上に向いてしまう場合が多いからです。
俗にいう、からだが浮いてしまっている、という状態です。
反発により地面から返ってくる力の方向が上に向いて身体が浮いてしまうと、前に進む推進力はなくなり、力が上に逃げてしまいます。
また、膝を高く上げる意識が強すぎて、地面を押し切る前に膝を上げてしまうという状況の選手もよく見かけます。
このように、無理に膝を高く上げようと意識を頑張りすぎると、かえって遅くなってしまうことがあります。
膝が上がらない走りのデメリット
じゃあ膝は上がらなくてもいいのか~~と思ってしまいそうですが、膝の上がらない走りにはデメリットがいくつかあります。
膝下が開き、前接地になりやすい
これは私の練習の動画の切り抜き画像です。とても動きの悪いときのを切り抜いてきました。とてもわかりやすい悪い見本です(笑)
一枚目の写真のように、膝が上がらず、つま先が前に振り出されて、二枚目の写真のように自分の身体の中心よりも前での設置となってしまっています。
膝の上がらない選手は、このようになってしまっている場合が多いと思います。
前接地になると、足の切り替えが遅くなったりして、ピッチ(足の回転)が遅くなったり、地面からの反発がうまくもらえなくなります。また、腰の落ちた走りにつながります。
理想としては、地面に接地するのは身体の中心の真下で、その時に後ろ足の膝が、接地した足の膝を追い越している状態です。まあこれは難しいので、膝が重なっていたらかなりいいと思います。
あの写真は前に接地して後ろ足の膝はだいぶ後ろにありますよね(笑)
ハムストリングスの肉離れを起こしやすい
先ほど言った、前接地になりやすいということから起こることなんですが、ハムストリングス(裏腿)の肉離れを起こしてしまうことが多いです。
なぜなら、前に接地した後、その設置位置にハムストリングスで地面を掻いて進むからです。この地面を掻くという動作は、とてもハムストリングスに負担がかかります。しかも、全力疾走という、ただでさえ負荷のかかることをしている中で、一部分にさらに負荷がかかるというのは、かなり危険です。
膝が上がらないことによる前接地は、遅くなるだけではなく、怪我をしてしますリスクを高めてしまうのです。
意識は上にではなく、斜め前
膝を高くあげる意識をしたらだめで、膝が上がらないと怪我したり遅くなる、どうしたらいいんだろうって感じですよね(笑)
膝を上げること自体はとてもいいことだと思っています。しかし、「上に」という部分に問題があるだけなのです。この「上に」という部分を、「斜め前」にしてみましょう。
膝を斜め前にあげる意識、と私はいつもアドバイスをするときは言っています。
斜め前にあげることができていると、上に力を逃がすこともなく、前にしっかりとすすむ膝の上がり方になるはずです。
結果的に膝が高く上がる
斜め前にあげる走りができていたら、結果的に膝が高く上がっているいう状態になるはずです。
この結果的に高く上がっているという部分だけをみて、真似をするのは意図を理解できていなかったり、まったく違うことをしてしまったりと、危険です。本質を見抜けるようになりましょう。
おそらく、最初にあげた多田選手やケンブリッジ選手も、高く上げようとしたのではなく、結果的に高く上がっているのだと私は思います。
膝を上げるために必要なトレーニング
腸腰筋
図の部分の筋肉を腸腰筋といいます。
このように、膝を上げるという動作では、腸腰筋が主に動かされます。この腸腰筋を鍛えることができれば、膝を上げる意識が楽になります。
トレーニング方法の記事を貼っておくので、ぜひ実践してみてください!!
ハムストリングス
直接膝を上げるときに動かされるというわけではないですが、ハムストリングスが強い選手は、地面を押す力が強い選手が多いです。
地面をしっかりと押して走ることができていれば、その反力で勝手に膝が上がっている、という走りになりやすいです。
膝を上げようとしていないのに、勝手に上がっていたら意識が一つ減らせるので走りやすいですよね!!
まとめ
膝の上がらない走りのデメリットも知っていただけたことですし、膝の上がった走りにできるように頑張りましょう!!
上にではなく、斜め前にあげる意識で走りましょう!!!
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